ひつじの本棚*

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日本十進分類法を擬人化する

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そもそも何故擬人化しようと思ったのかと言えば、図書館に勤めていたとき、それまで特に気にしたことのなかった書架の並びがそれぞれ個性的で、性格が違うところに人間味を感じてしまい、「この書架には黒縁眼鏡をかけたこじらせ系インテリが住んでいそうだ」とか「この書架はとても生活力が高い」とか妄想してしまったからでした。

そんな図書館の書架を作るのに欠かせないのが「日本十進分類法(NDC)」。図書館が資料(図書館では本やCD・DVDなどを全てひっくるめて資料と呼んだりします)を所蔵するにあたり、分類・整理するために使われる分類方法です。0から9までの数字に大本となる区分(ジャンル)を割り当て、資料によって数字を組み合わせて分類します。

大体どの図書館でも、書架に並ぶ資料の背表紙には下部にシールが貼付され、枠の中に「596」とか「913」など3桁以上の数字が記入されていると思います。それは「請求記号」と呼ばれ、例えば「596」の「5」は「5:技術」、「9」は「9:文学」、「6」は「6:産業」を意味しており、この請求記号が振られている資料の多くは料理本です。

と、言われたところで普通はさっぱりピンとこないし、全然面白い話ではありませんよね。私も最初は「料理が技術に分類されるなんて全然イメージにない上に複雑過ぎる」と思ったものです。しかしこのNDC、一度覚えれば俄然図書館での資料探しが楽になります!日本の図書館のほとんどがNDCを採択していますし、非常に精密で、新しい分野が追加されたり区分を見直したりと、より使いやすいように改定も重ねられています。

冒頭に書いたように思い始めたのが、折しも『おそ松さん』が放送された頃だったため、「日本十進分類法がひとつ屋根の下に暮らす10人兄弟だったら面白いのに」と同僚や友人に話したところ、思いのほか受けが良かったので調子に乗りました。

NDCの擬人化については既に他の方がされていますが、それとは全く関係のない大変私的な見解です。広い心でお読みください。
※最後に珈琲派・紅茶派、犬派・猫派と付けたのは個人的な趣味です。しかしこれを補足するだけで、とても性格がわかりやすくなる気がします。
※絵が描けませんので、文字オンリーです。

 

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日本十進分類法が10人の兄弟だったら
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長男 総(そう)

0:総記(図書館学・情報学・叢書など)
・ロンTにジーンズというラフな格好でほとんど家にいる。
・飄々として掴みどころがなく、公共図書館だとどこにいるかわからない。
・無職と見せかけて株やFXなどで稼いでいる。覆面ライターでもある。
ノマド。パソコンとネット環境があればどこでも仕事できる。
・情報通で新しもの好き。知識と興味の幅はだだ広い。ただし浅い。
・来るもの拒まず、去る者は追わず。行き場のない子(資料)の受け皿。
・口癖は「行くとこないなら俺のとこに来い」
・空気と同じ。いても気にされないが、いないと困る。一家の精神的支柱。
・珈琲派で猫派。

次男 哲(あきら)
1:哲学(哲学・宗教・心理学など)
・文学部(哲学)准教授。ウェリントンの黒縁眼鏡をかけている。
・気が付くと生きるべきか死ぬべきかを考えている。
・思い悩むことが多過ぎる。目下の課題は研究費の確保。
・頭は良いのに要領は悪い。ややマイナス思考寄り。
大学図書館では大きな顔をしているが、公共図書館では肩身が狭い。
・たまにスピリチュアル。占いを気にしたり、心理テストも好き。
・あらゆる宗教や神話に精通し過ぎて逆に無宗教。信じているのは自分。
・最近、五男の然(ぜん)に対するコンプレックスが大きい。
・紅茶派で猫派。

三男 歴(れき)
2:歴史(歴史・伝記・紀行など)
・文学部(歴史学助教。出世に興味はなく、できればずっと助教でいたい。
・給料は最低限でも我慢するけど、研究費は下げないでほしい。
・フットワークが軽く、フィールドワークが基本。故に旅行好き。
・偉人マニア。国内外問わず様々な偉人に詳しい。
・内に閉じこもりがちな哲を気にかけ、よく旅行に誘うが断られる。
・四男の社(やしろ)と仲が良い。一緒に旅行に行ってくれるのは社。
・普段は人あたりもよく温厚なのに学会では人が変わる。
・紅茶派で犬派。

四男 社(やしろ)
3:社会科学(政治・経済・教育など)
・ばりばり稼ぐ商社マン。教員免許も持っている。いつか起業したい。
・上の三人が頼りないので自分がしっかりしなければと思っている。
・でも長男の総には不思議と頭が上がらない。
・政治経済法律から教育、ジェンダー論まで幅広い分野に関心がある。
・社会参加にも積極的。コミュニケーション能力がとても高い。
・大体誰とでも仲良くなれる。兄弟間の橋渡し役。
・趣味は日本各地の祭りを見に行くこと、と言うと意外な顔をされる。
民俗学文化人類学にも詳しかったりする。要するに人間が好き。
・珈琲派で犬派。

五男 然(ぜん)
4:自然科学(数学・化学・生物学など)
・無口な病理医。スクエアの縁なし眼鏡をかけている。
・必要以上のことを喋らず曖昧なことは言わない。答えはいつもYESかNo。
・哲と歴の研究費が欲しい話に混ざりたい。でも何故か混ざれない。
・暇つぶしにやることは数独。自分で問題を作るのも好き。
・次男の哲から嫌われているような気がするけれど気にしない。
・六男の技(あや)、七男の業(はじめ)とは仲が良い。
・趣味は天体観測。植物や動物も好き。本気で猫を飼いたい。
・珈琲派で猫派。

六男 技(あや)
5.技術(工学・建築・家政学など)
・双子の兄。自動車工場で働いていて機械に詳しい。
・車に限らず乗り物大好き。見るのも運転するのも好き。
・でも環境問題に一番敏感。愛車はエコカー
・手先が器用で、まずは自作してみる。分解して元に戻すのも好き。
一家の家事担当。料理も洗濯も掃除も苦にならない。弁当もマメに作る。
・冬になると編み物がしたくなる。
・趣味は住宅展示場を巡ること。建築家に憧れたこともある。
・珈琲派で猫派。

七男 業(はじめ)
6:産業(農業・園芸・商業など)
・双子の弟。観光地でもある大農場で働いている。
・農場の広報担当でもある。ツアーやイベントを企画するのが好き。
・農産物を使った商品開発にも余念がない。
・家の庭は俺のもの。素人の枠を越えた家庭菜園とガーデニングの腕を持つ。
・植物も動物も大好きだが、まずは「食えるかどうか」で見てしまいがち。
・道に詳しく、ドライブが趣味。大型トラックも運転できる。
・いつか社と共に起業したい。そのときは技も巻き込みたい。
・紅茶派で犬派。

八男 芸(よし)
7:芸術(絵画・音楽・スポーツなど)
・アート分野のフリーライター。ほとんど家にいない自由人。
・仕事と称して美術館・映画館・劇場・コンサートに行きまくり。
・ファッショナブルで衣装持ち。お金は貯めるものではなく使うもの。
・兄弟の中で最も運動神経が良い。スポーツを観るのもするのも好き。
・趣味は写真撮影。ゲームもやるが上手くはない。
・おそらく一家の中で最も人生を謳歌している。
・兄弟の中で自分が一番浮いているような気がするけど、まあいいか。
・紅茶派で猫派。

九男 言(げん)
8:言語(日本語・中国語・英語など)
・語学大学に通う大学生。セルフレームの眼鏡をかけている。
・言語マニアで言葉遣いにうるさい。方言にも詳しい。
漢検・英検一級取得済。TOEICスコア800点・TOEFLスコア70点以上。
・外国語はもちろん、既に使われていない言語にも興味津々。
・文章が上手く字が綺麗。手書き文書や手紙の代筆をよく頼まれる。
・頼りにしている兄は社。仲が良いのは末っ子の文(いと)。
・そのうち海外留学したい。将来は通訳か翻訳の仕事に就きたい。
・珈琲派で犬派。

十男 文(いと)
9:文学(日本文学・英米文学・フランス文学など)
中高一貫の男子校に通う高校生。末っ子で皆から可愛がられている。
公共図書館では一番良い場所を広く与えられていたりする。
・おかげでのびのびとした想像力豊かな心優しい子に育った。
・活字が大好き。国内外を問わず、何でも読む。
・自由な芸に憧れているが、自分がそうなれないことを知っている。
・皆には秘密だが、将来は小説家になりたい。
・しかし書評やライティングの本を読み過ぎてしまい、逆に書けないでいる。
・まだ珈琲の良さがわからないので紅茶派、そして猫派。

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私的な妄想に最後までお付き合い頂きありがとうございました。これを機に図書館やNDCに興味を持って頂けたらとてもうれしいです。ぜひ、近所の図書館の書架をチェックしてみてください。たぶん、仲良くなれそうな書架がひとつは見つかるのではないかと思います。